PLEX PROGRAM REPORT

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「バースデーをデザイン」

2018年2月18日(日)

アーティスト/メディアクリエイター 

市川 健司 氏

Kenji Ichikawa

<PROFILE>

メディアクリエイター、アーティスト。1990年に考案した「ピクセル・モンタージュ(Pixel Montage)」という技法を用いた作品のスタイルで、日本グラフィック展、日本ビジュアル・アート展、APA日本写真ビエンナーレ、プリンツ21グランプリ展、現代日本美術展、岡本太郎現代芸術賞等、数々のコンペティションで受賞歴を持つ。東京・横浜・名古屋・上海・ニューヨーク・ミラノ・ボローニャ・アムステルダム・ゲント・ブエノスアイレス等、国内外を問わずアートフェアや展覧会に出品。雑誌・書籍・DVDブックレット・TV・iPhone/iPad用アプリ等、様々なメディアやイベントでも作品を展開。「ウタマロケンジ」としても活動中。東京デザインプレックス研究所講師。

市川 健司 氏

第1部:ワークショップ「バースデーをデザイン」

ワークショップ1

今回のプレックスプログラムは、いつもの回とは一味違う内容です。プレックスプログラムの時間をフルに使った、ワークショップ形式で今回は進めていきます。今回は、当校クリエイティブ専攻講師の市川健治先生が行ってくださいます。受講生に絶大な支持を得ている市川先生。普段の授業で受けている受講生はもちろん、授業を終えた修了生も今回のプログラムにたくさん参加されました。「もっと市川先生の授業を受けたい!」「授業を終えてもまた参加したい!」という声が多数寄せられた中、ワークショップは実現しました。今回、どのような内容になるのでしょうか?

ワークショップ2

今回のワークショップは、一人一人に作品制作をしてもらいます。作品制作のために用意されたのは、1枚のA3サイズの白い厚紙。白い厚紙を台紙にして、コラージュ作品を作成していきます。コラージュとは、様々な素材を組み合わせて一つの絵画のように表現する技法です。今回、コラージュ作品で表現してほしいテーマは「誕生日」。「あなたの誕生日はいつですか?あなたのお誕生日の月日のイメージを、自由にビジュアル表現してください」と市川先生からコメントをいただきました。誕生日はひとそれぞれ、月日が変われば、季節も変わり、それに伴うイメージも変わります。

ワークショップ3

コラージュ作品を作るために使用する画材は、絵の具や色鉛筆、マーカーなど、自分の好きな画材を使用していいと、市川先生から指示がありました。また、コラージュ表現で必要なことは、いろんな素材を組み合わせること。一つ一つは関連していなくても、組み合わせ方や配置の仕方によって、白い厚紙という台紙の上で一枚の絵になります。そのために使う素材は、基本的に紙モノであれば何でもOK。色紙や雑誌の切り抜き、写真など、生徒さんが思い思いに選んだものを材料にします。普段は何気なく見ていた雑誌や写真も、作品の一部となる大切な要素。今日は普段と見る目が変わってくるのではないでしょうか。

ワークショップ4

コラージュの作品制作自体は、クリエイティブ専攻の授業でも行われています。参加している受講生は、クリエイティブ専攻の授業を受講したことのある生徒もいれば、他専攻の生徒などクリエイティブ専攻の授業を受講したことのない生徒もいます。様々な専攻から受講生は参加していますが、コラージュの作成は専攻の分野にとらわれることなく、ビジュアルを作成することができます。専門的な細かい方法やスキルがなくても作成することができますが、いざ作り始めてみると簡単には作業は進みません。それは、作りたいビジュアルのイメージやテーマを描く力が必要になるからです。

ワークショップ5

作業の工程としては、色紙にしろ、雑誌にしろ、写真にしろ、「紙」を素材にしているため、基本的には切り貼りの作業です。まずは素材の使いたい部分をカッターやはさみで綺麗に切り取ります。切り取ったものに糊付けをし、台紙に貼り付けていきます。まさに「手作業」で一つ一つ組み立てながら一つの絵を作り上げていきます。デジタルソフトを使えばすぐにできるような配置も、すべて手作業で行うと、その倍の時間がかかります。普段デジタル操作に慣れていると、もどかしい気持ちになることもありそうですが、手作業で丁寧にしっかり作ることが、結果的にデジタルにも生かすことができると先生は授業でお話しされています。

ワークショップ6

限られた作業時間の中で作品を仕上げたあと、作品を皆さんに展示してもらいます。コラージュを作成するのに時間がかかるためか、「もう終わり!?」というほど作業時間はあっという間だったようです。今回のコラージュのテーマが「誕生日」のため、1月、2月、と月ごとに集めながら並べます。12月まで並ぶと、一年の四季の移り変わりと関連しているところもありますが、それぞれの個性も際立っています。自分の作品と他の作品を見比べながら、生徒たちも作品を見ていて楽しそうです。壁一面に、参加者皆さんの作ったコラージュが並ぶと圧巻です。

ワークショップ7

市川先生がここで、完成した作品一つ一つに講評してくださいます。市川先生は、一人一人の作品の良いところを見つけ、改善点も明確に教えてくださるので、「先生の講評が楽しみでした!」と生徒が口にするほど、作品に対してのフィードバックが評判です。先生のコメントにはユーモアもあり、参加者から時折笑いもあり、とても明るい和やかな雰囲気で講評が続きます。自分の作品とは別の作品の講評を聞くのも、非常に勉強になる先生の講評。「もっと聞きたい!」「コメントもっとほしいです!」と惜しまれる中、終了時間となってしまいました。

総評

ワークショップを終え、「やっぱり、作ることは楽しいと再確認することができました」などと生徒から感想が寄せられました。デザインを行うに当たっては、仕事となれば特に、自分の好きなようにものを作るのが難しくなってきます。また、作ったものに関して論理的に説明する力もデザイナーには必要になるため、その中で苦悩する生徒も中にはいます。だからこそ、今回のワークショップのように、改めて「作ることは楽しい」、そう感じることのできる機会はとても貴重であり、デザイン業界を目指す生徒たちに取っても励みになる回となったのではないでしょうか。今回のワークショップは、市川先生の新たなファンが生まれたとともに、生徒たちに作る楽しさや喜びを感じられた回となりました。市川先生、本当にありがとうございました!

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