PLEX PROGRAM REPORT

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「伝えるのヒント」

2018年1月31日(水)

デザイナー

minna 長谷川 哲士 氏

Satoshi Hasegawa

<PROFILE>

2009年設立。2013年、株式会社ミンナとして法人化。角田真祐子と長谷川哲士を中心とする、みんなのためのデザインチーム。【みんな】のために【みんな】のことを【みんな】でやるをコンセプトに、グラフィックやプロダクトなどのジャンルにとらわれず、領域を越えて幅広くデザインを行う。グッドデザイン賞、日本パッケージデザイン大賞金賞等、他受賞多数。
http://minna-design.com/

長谷川 哲士 氏

第1部:講義「根付かせるためのデザイン」

講義1

今回のプレックスプログラムはデザインチームminna(ミンナ)の長谷川哲士さんをお迎えしてお送りします。【みんな】のために【みんな】のことを【みんな】でやるをコンセプトに、グラフィックやプロダクトなどのジャンルにとらわれず、領域を越えて幅広くデザインを行っています。そんな今回のテーマは「根付かせるためのデザイン」。これまでとは少し違い、デザイナーが手掛けたデザインがデザイナーの手から離れたその後にどう機能するかという点について、詳しくお話ししていただきます。

講義2

まずはminnaのお仕事についていくつかご紹介していただきました。minnaの考えるデザイン、それは想いを共有し、最適な手段を用いて魅力的に可視化すること。そのためにはなぜ?と知りたがる気持ち、相手に歩み寄る努力、そして社会に機能させる責任が大切だと長谷川さんは言います。だからこそ、依頼が来てもそのまま要望通りにただデザインをするのではなくて、その依頼が本当にクライアントの想いや課題を解決するのかを考え、最適な手段を用いて長谷川さんはその問題に向き合います。それこそがminnaの考えるデザイナーが担うべきだといいます。

講義3

続いて、根付かせるためのデザインとして実際にminnaが手掛けたプロジェクトについて、いくつか事例をお話していただきました。一つ目の事例は三重県東員町の町おこしのためのプロジェクトで、当初は「健康活躍のまち 東員町」というキャッチフレーズの元、ロゴデザインを依頼されたそうです。しかしこれだといくらロゴデザインを考えたところで、町の特長を表現しきれないし、何より町の人たちにとって何にも機能しないんじゃないかと感じた長谷川さん。町にある色んな「おみごとさ」に注目し、「OMIGOTOIN」という町おこしプロジェクトを掲げ、ユニークで誰にでも使い易いロゴデザインや自分たちの手を離れた後でも地域の人たちだけで表現できるような広告の仕組みを考えたと言います。

講義4

もう一つの事例として、富山県の五箇山で作られている和紙のプロジェクトについてもお話ししていただきました。このお仕事は東員町と同様、当初は売り上げ向上のため、道の駅に置く新商品開発を依頼されました。長谷川さんはここでも最適な手段は何かを考え、新商品を作ったところで状況は今と変わらないと感じたそう。そこで五箇山和紙の里とminnaの共同ブランドとして「FIVE」を立ち上げ、日本中、世界中に渡って五箇山和紙を広めるよう考案しました。そうしてブランドの立ち上げから、商品開発、広告戦略など、トータルでminnaが担当し、見事オーダー待ちになるほどの人気商品を作り上げました。「依頼のその先にある、地域の未来を考える。」と話す長谷川さん。みんな大いに参考になったのではないでしょうか。

第2部:ワークショップ「根付かせるためのパッケージブランディング」

ワークショップ1

後半はワークショップです。今回の課題は「根付かせるためのパッケージデザイン」。各々の地元から商品化されるジャムと仮定し、地域のオリジナルブランドのジャムのためのパッケージデザインを生徒たちに考えてもらいます。前半のお話しを踏まえ、地域の人たちが継続できるような企画、デザインを考えられるかが、今回のポイントとなります。もちろん、必要であればブランド名や商品名の設定も行ってもらいます。グループになって案を出し合い、最終的に代表者一人が発表します。

ワークショップ2

デザインをする上でのルールとして、1.ジャムの種類は3種類、味は自由。2.ラインナップが増えたりしても対応のできるデザインであること。3.初回は関われるが、4種類目以降は基本的に手を離れることを仮定し、そうなったとしても、ブランドイメージを壊さず、ちゃんと機能させられるようにすること。この3つのルールを守り、デザインしてもらいます。「いかに商品(ジャム)を良く見せるかというよりかは、どうすれば地域のためになるかを考えることが大事だと思います。」と長谷川さん。さぁ、長谷川さんを驚かせられるようなアイデアは出てくるのでしょうか

ワークショップ3

そして発表の時間です。いくつか抜粋してご紹介します。まずは製糸業が有名な群馬県ならではの、糸をジャム瓶に可愛く巻いたパッケージ案。味もブルーベリー、りんご、ねぎと、バラエティに富んだアイデアです。ほかにも、神戸のジャムのグループの発表では、神戸のシンボルともいえるポートタワーを模したパッケージデザインを企画。これだとパッケージはそのままで、中のジャム瓶の味をその都度変えるだけでいいので、デザイナーの手が離れてもちゃんと機能されます。「どれもよく短時間でここまで練られましたね!」と長谷川さんも大絶賛。みんな今回の授業を通して、更に色々な視点から考える力が身についたのではないでしょうか。

総評

最後に長谷川さんから総評です。「みなさん、お疲れ様でした。今回、根付かせるためのデザインについてお話ししてきましたが、デザイナーがデザインをしたから継続するのではなく、我々がデザインしたものを運用してくれる志のある人がいることで継続されるものだと思っているので、もし、地域の方々とお仕事する機会があったら、人の大切さを忘れず、人対人ということを考えてデザインしていってほしいと思います。本日はありがとうございました!」長谷川さん、ありがとうございました!

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