プレックスプログラム レポート

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「渋谷ビットマップ~フィールドワークによる街の再構築~

2016年8月21日(日)

アーティスト・メディアクリエイター

市川 健治 氏

Kenji Ichikawa

<PROFILE>

メディアクリエイター、アーティスト。
1990年に考案した「ピクセル・モンタージュ(Pixel Montage)」という技法を用いた作品のスタイルで、日本グラフィック展、日本ビジュアル・アート展、APA日本写真ビエンナーレ、プリンツ21グランプリ展、現代日本美術展、岡本太郎現代芸術賞等、数々のコンペティションで受賞歴を持つ。東京・横浜・名古屋・上海・ニューヨーク・ミラノ・ボローニャ・アムステルダム・ゲント・ブエノスアイレス等、国内外を問わずアートフェアや展覧会に出品。
雑誌・書籍・DVDブックレット・TV・iPhone/iPad用アプリ等、様々なメディアやイベントでも作品を展開。「ウタマロケンジ」としても活動中。

市川 健治 氏

第1部:フィールドワーク「フロタージュで渋谷マップを作ろう」

フィールドワーク1

今回のプレックスプログラムは、通常行う「講義+ワークショップ」の形式とは打って変わって、フィールドワーク形式で行われます!テーマは「渋谷ビットマップ —フィールドワークによる街の再構築—」と題し、渋谷の街を舞台にみなさんの足と手をフルに使ってもらうことになります。市川健治さんは、当校の講師を務めており、受講生に絶大な人気を得ています。今回のプレックスプログラムも「市川先生の授業をまた受けたい!」というファンの受講生が数多く参加しました。市川先生はアーティスト「ウタマロケンジ」としても活躍しており、ギャザリングアートの先駆者でもあります。

フィールドワーク2

今回、表現するものは「渋谷の地図」です。実際に渋谷の街を歩き、感じ、様々なものを集め、集めたもので渋谷の街をみんなで表現する、というものです。早速ギャザリングアートに使う素材を、これから受講生さんに渋谷の街に繰り出し収集してもらいます。収集する素材は、渋谷の街に存在するもの全て!道端の落ち葉や、チラシなど・・・。加えて市川先生からの指示で、「フロタージュ」を必ず行い、それを素材に加えてほしいというものでした。

※「フロタージュ」とは、凹凸のあるものの上に紙を置き、鉛筆などの描画材でこするように描くことで、対象の凹凸や形状を写し取る技法です。

フィールドワーク3

受講生たちは、渋谷の街に繰り出す際に、無地の紙と色鉛筆を持っていってもらいます。街の標識や、地面の模様、普段何気なく通り過ぎていた道も、よく見ると新しい発見が生まれてきます。最初はどうしたらいいのか戸惑い迷いながらも、新しい目線で渋谷の街を見て感じながら歩くこと自体がだんだんと楽しくなってきた!と、今回のワークショップの参加者たちも心躍らせながら散策しています。フロタージュができそうなポイントを見つけたら、早速写し取ってみます。一心不乱に紙の上から写し取る姿は、街行く人や周りからも注目される様子(笑)。ただ、当の受講生は「人目も気にせず夢中でやりました!」と、楽しそうにしている姿が印象的でした。

第2部:ワークショップ「コラージュによる渋谷ビットマップ作成」

ワークショップ1

探索する前に受講生たちは、各自探索する渋谷のエリアをあらかじめ割り振られていました。その一人一人に与えられたエリアは、実際の渋谷の地図を正方形で36等分されたものになっています。素材を集めた後は、割り当てられていた各自のエリアを、一人一つの正方形のパネル上に表現してもらいます。これらのパネルを全員で組み合わせ、大きな渋谷の街を完成させることを目標に、早速作業がはじまりました。パネルには印刷した地図を貼り、実際の道路の部分は白く残しておきます。そして道路部分以外を集めた素材をコラージュで埋め尽くし、一枚ずつパネルを完成させていきます。

ワークショップ2

大きなパネルを正方形に切り、地図を貼り、またさらに素材を組み合わせ・・・切って貼っての作業は完成サイズが大きいこともあり、パネル一つ切るだけでも意外と身体を使います。受講生の中には初めての慣れない作業に、四苦八苦する人もいましたが、そんなときはチームワークでカバー!
初めて顔を合わせる人も多いなか、「地図を完成させる」という一つの大きな目的に向かっていると、自然と助け合いが生まれているように見えます。一人一人が声を掛け合って、さらには先生も一緒になって作業を行う姿は、賑やかながらもみなさん本気で取り組んでいます。みなさん頑張って!

ワークショップ3

その後は、集めてきた素材を実際にコラージュでパネルに表現していきます。チームワークの作業から今度は一人一人の作業に移りました。フロタージュで写した紙と集めてきたチラシなどを使い、また切り貼りの作業が続きます。素材を使ってうまくコラージュするにはどうしたらいいか?頭をフル回転させながら手を動かす作業にみなさん真剣な表情です。コラージュという作業は、ただ色々なものを組み合わせて盛っていけばいいというわけではありません。受講生からも、「頭に血がのぼるほど色々考えました。」、「ひとつのパネルにまとめることに苦労しました。」という声が上がっています。それぞれの区画のパネルが出来上がったら、いよいよそれらを合体です!

ワークショップ4

いよいよ工程は最終段階。みなさんが作ったパネルを、一枚一枚丁寧に壁に貼り付けていきます。まだパネルの作業が終わっていない人を、終わった人が手伝ったり、最後まで助けあいながらの作業でした。「想像以上に大変です!」という声も上がってくる中、実は今回、制作時間のタイムスケジュールがかなり押しており、タイムリミットまであとわずかという状況・・・。ここまできたらなんとしても完成させる!という強い気持ちがみなさんの手を突き動かします。みなさんが必死になって頑張って作った成果は、少しずつ大きな地図の形となって完成へと近づいていきます。

総評

全てのパネルを貼り終えて、姿を現した大きな渋谷の街。ついに、「渋谷ビットマップ」が完成しました!完成した瞬間、受講生も先生も大喜び!歓声が沸き起こりました。一つのパネルだけでみる姿と、それが集まった時に浮かび上がる街の姿、受講生たちも実際に完成したマップを目の当たりにした瞬間は、みなさん感動している様子でした。みなさん達成感に満ちた顔で、マップを眺めています。市川先生のギャザリングアートの作業が、いかに大変で、いかに感動を与えるのかを、受講生たちは今回のプログラムで十分体感したようです。ここで作成したパネルは、現在学校の壁に飾っています。市川先生、貴重な体験を本当にありがとうございました!そして、今回参加した受講生のみなさん、本当にお疲れさまでした!

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