地図はインフォグラフィックス。表現のスキルが役立っています。
私は「地理人」として活動しています。都市や地図に馴染みがない人や、苦手な人に対して、面白さと実感がつかめるような仕組みを創っています。7~8歳の時に空想の都市を地図に描き始めて、気づいたら長いこと地図を創っていました。そのうち、本や雑誌、テレビ・ラジオで取り上げられ、本を書く機会もいただき、面白がる人も増えてきました。それでも、この活動が仕事になるとは思っていなくて。できることの切り売りのためデザインの仕事をすることが多く、デザイン表現の上達のためにこの学校で学ぼうと思ったのです。 でも、学んで気付いたのは、私はデザイナーとしてやっていくべきではない、ということ。デザイン一本でやっていて、それでプロになるんだとストイックに学んでいる人たちには太刀打ちできないと思ったんです。逆に、自分に一本筋を通すとしたら、やはり地図・地理なんだ、とわかりました。軸足を地図・地理に固めたのは、この学校がきっかけ、といってもいいかもしれません。それだけ、学校には面白い人たちがいて刺激的だったのです。デザイナーにはならないとしても、地図を創る作業はインフォグラフィックスですから、この学校で学んだことは様々な場面で役立っています。さらに地理・地図に軸足を固めようとするにつれて、関連の仕事が徐々に来るようになりました。 インターネットで経路検索をする昨今、地図は点と線で結ぶだけのものになってしまっています。地図という媒体は、もっと面で見せてより深い情報を伝えられると思うんです。土地勘のない人にもその地域が手に取ってわかるような、そんな地理情報の編集とデザインをこれからも行っていきたいと思っています。
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