空間づくりに活かしているのはダンスで培った感性です。
この学校に入る前は、ダンサーでした。中学の時にダンスを始めて、高校を卒業してからはイベントで踊ったり、CMに出たり、地元でスクールを開校してダンスを教えたりもしました。20代半ば頃からは、ダンス一筋というよりも、ダンスの経験を活かして他にできることはないかな、と探り始めました。そこで空間デザイナーという仕事があると知ったんです。空間デザインは、ダンスとの親和性が高いかもしれない。そう感じて、この学校への入学を決めました。
在学中、意識していたのは学んだことをそのままにせず、自分なりに深堀りすること。授業を受けるだけでなく、いろいろな空間に足を運んで、身体で感じることを心がけましたね。空間は三次元の立体ですから、インターネットや写真を見るだけでは、何も吸収できないと思うんです。
修了後は、空間デザイナーとして、商業施設やオフィス、邸宅、公共施設など幅広く手がける建築設計会社に就職しました。16年続けてきたダンスに一区切りつけようと決意した時は、もちろん寂しさもありました。でも今は、可能性が大きく広がったと考えています。舞台に立ち、フォーメーションを組んで踊るときの空間の捉え方や、ファッションや音楽、照明など総合的に組み合わさってひとつの空間が生まれていること。そんなダンスでの実体験が、空間デザインをするうえで発想の源になっているような気がします。ダンサーであったことがフルに活かせる空間として、クラブの空間や、ダンスステージのデザインを手掛けることも一つの目標。心地よさとワクワク感が共存するような空間を、生み出してみたいです。