デザインが楽しいのは、必死で授業についていったから。
以前は6年間ほど、アパレルの販売職をしていました。続けているうちに、昔から好きだった絵を描くことが仕事になればいいな、と転職を考えるようになりました。それにしても未経験なので、具体的な仕事内容や必要なスキルなど身につけておきたいと考え、まずは学校へ通おうと思ったんです。仕事を辞めてアルバイトに切り替え、学校に通い始めた当初は、授業についていけるかどうか不安でした。なにしろ、パソコンのタイピングさえできませんでしたから。でも、クラスメイトに恵まれていたのが良かった。「これってどうやるの?」と、みんなに尋ねて、助けてもらっていました。絵を描くことと、デザインすること。これは似ているようで違うんですよね。だからデザインに対して苦手意識があったのも事実です。絵はいつも単色で仕上げていたので、複数の色を使っていくことも難しかったし、レイアウトやタイポグラフィのセオリーも、感覚で絵を描く自分にとっては、扱いづらい要素でした。要領が悪いので課題制作にも時間がかかり、寝る時間を削ったこともありましたね。必死に授業についていった結果、できた作品を先生やクラスメイトが褒めてくれるようになったのが驚きでした。少しずつ課題をこなす要領も得てきて、ポートフォリオをつくる頃にはタイピングもできるようになっていました(笑)。配色やコンセプトを考えることも楽しくなり、ポートフォリオにはストーリーをつけたり、書き溜めていたイラストを掲載したり、自分らしいものに仕上げられたなと満足しています。現在は、講師に紹介してもらったデザイン事務所で働いていて、化粧品ブランドの販促物のデザインを担当しています。仕事は忙しくて相変わらず時間が足りないけれど、何よりすごく楽しい。学ぶことはまだまだたくさんあるので、着実にスキルを磨いていけたらいいなと思っています。
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