読む人のスタイルを創る雑誌デザインをしていきたい。
この学校に入る前は、バンドの音楽活動をしていました。もし音楽で成功したら、アルバムのジャケットやグッズなど、自分でデザインしたいと考えていたんです。その気持ちがだんだん強く、具体的になっていきデザインを学ぶことにしました。
学校でいろいろな作品をつくっていくうちに、特に雑誌デザインに魅せられるようになりました。雑誌という存在は、読む人のスタイルを創っていくと思うんです。それがどこか音楽にも似ていて…。そんな影響力のある雑誌づくりに携わりたいと思って入社したのが出版社の制作部門にあたる会社です。その会社の雑誌づくりのコンセプトにものすごく感銘を受けたのです。その時はデザイナーを募集している訳ではなかったのですが、ここで働きたいという熱意を伝え、採用してもらいました。
在学中はデザインを学びながらも、なかなか自分の思うように表現できなくて、その度に落ち込んだり、前が見えなくなったりしました。学校の友達と飲みながら「なぜ自分はデザインやっているのか」を語り合うこともありました。今思うと仕事に就く前に、そんな挫折感を味わっておいてよかったかもしれません。それは、なぜ自分がデザイナーを目指すのかを確認して、覚悟ができたから。だから、これからも苦労を強いられるとしても、やっていけるって思うようになりました。
実際に仕事をするようになったら、学校にいたときよりも忙しくて、毎日が追われるような日々。でも雑誌が出来上がるとそんなことも吹っ飛んでしまうんです。自分の名前が載っている雑誌を家族や先生が手に取ってくれるのですが、自分を支えてくれているそういう人達の反応もやる気に繋がっています。