仕事はアートを創るように。誰にどんな価値を生むかを考えます。
ネパールに現地法人を立ち上げ、Made inネパールのピーナッツバターを日本にも輸入・販売しています。以前は、大手コンビニチェーンでリサーチの仕事をしていました。4年間働いた後、次のステージへ行きたいと考え、この学校でデザインを学ぶことに。もともと、自分はポストモダンアートが大好き。単に美しいものを愛でるというよりは、目に見えない作品の背景や構造を自分なりに解釈して考える行為そのものが好きなんです。ですからプレックスプログラムで、与えられた課題について考えたり、企画をアウトプットすることが楽しかったですね。授業のつど、学びと気づきがありました。
ピーナッツバターを作ることになったのは、別のプロジェクトで、ネパールのコタンを訪れたのがきっかけ。偶然に偶然が重なったようなものですね。村は貧しくて、皆、故郷が好きだけど働き口がないから、やがて出ていく。そこで、工場をコタンに作って、現地の人たちを雇用したいと考えました。女性従業員が多いのは、現地の女性の社会進出を目指すわけではなく、優秀だと思う人たちにオファーした結果です。現地のピーナッツは完全無農薬で品種未改良の特別なものですが、これは産業が発展していなかったから。一見マイナスな要因が大きな価値を生み出しているところに面白さを感じています。
あくまでも自分のコアにあるのは、アートです。単に収益のみを追うのではなく、誰に、どんな価値を生み出せるかを常に意識して、それこそアート作品を創る感覚で仕事をしています。アートがそうであるように、これからも人びとに何かを考える機会を 与えたり、人びとのためになるようなモノや仕組みを世界に向けて発信していきたいですね。
