デザインで成し遂げたいのは演劇界を盛り上げることです。
自分は大学の化学専攻で超分子の研究をしていました。卒業後は大学院に進む予定だったのですが…直前になって方向転換して、この学校でデザインを学ぶことにしたのです。実は、自分は化学研究のほかにも、演劇部での活動に力を注いでいました。演出したり、演じたりもしましたが、特に楽しかったのがポスターやチラシなどを作る宣伝美術でした。ただ、演劇業界の宣伝手法は時代が移り変わってもどこか旧態依然としています。素晴らしい劇団や作品をもっと皆に知ってほしい。将来的に演劇のプロデュースや企画、PRに携わりたいと考えたのです。一年の在学期間は、あっという間でした。課題制作の作品は投票制になっていて、そこで1番を取ることを目指しましたが、叶いませんでした。自分が抱く理想と現実がかけ離れていて、悔しい思いをしましたね。でも、それが自分の原動力となりました。作っては振り返り、まだダメだなと感じて次の作品づくりに臨む日々。クラスメイトの中には凄い作品を作る人が多くて、自分は未熟だと思いながらポートフォリオを作成しましたが、それを「1年間でよくここまで仕上げたね」と採用してくれたのが今の会社です。投資家やスタートアップ企業向けのサービスを展開する会社で、自社プロダクトのUI/UXデザインを担当しています。将来の目標は、やはり演劇界を盛り上げること。今の会社はお金の流れや投資について精通できる環境なので、ここで得る知識も後々、役に立ちます。ビジネスにすることは容易ではないでしょうが、演劇界が自走できる仕組みを作りたいですね。さらには、他の分野にも転用して日本の芸術分野をボトムアップできたらいいな、と思っています。
デジタルコミュニケーションデザイン専攻へ