テーマ:「戦略コンサルタントとデザイナーの協業による課題解決」
myProduct株式会社
宮﨑 裕介 / 吉川 貴広 氏Yusuke Miyazaki / Takahiro Kikkawa
- PROFILE
- ◆宮﨑 裕介氏
1978年生まれ、千葉県出身。都内デザインファームにてデザイナーとしてブランドコミュニケーション等のプロジェクトを数多く経験した後、ブランディングファーム株式会社ノーツデザインオフィスの経営に携わる。アートディレクターとしてもオフラインからオンラインまで領域を超えたプロジェクトに数多く参画。現在はmyProduct株式会社にてブランディング チーフディレクターとして従事。
◆吉川 貴広氏 1979年生まれ、秋田県秋田市出身。大手印刷会社、事業特化型プロダクション、Sler系システム開発会社のクリエイティブ部門を経て、現在はmyProduct株式会社にてブランディングやプロモーション用のグラフィック / WEB / 動画のデザインに従事。教育 / テクノロジー / 不動産 / 介護医療の領域に精通し、デザインと戦略の融合で企業や地域の課題解決を行っている。
第1部:講義「戦略コンサルタントとデザイナーの協業による課題解決」
講義1
本日のプレックスプログラムは、myProductの宮﨑裕介さんと吉川貴広さんにお越しいただきました。myProduct は「課題から事業へ、そして社会を変えていく」を理念に掲げるデザインコンサルティング会社です。本日は「戦略」と「デザイン」の力を組み合わせる重要性について、事例を踏まえてご紹介いただきます。右脳と左脳の双方を活用した新しい視点でお話しいただけるとあって、学生たちの期待も膨らみ講義がスタートです。
講義2
「戦略」と「デザイン」の力をかけ合わせたプロジェクトとしてご紹介いただいたのは、某ファミレスチェーンのブランディングです。こちらの案件では、双方のヒエラルキー関係を超えて、10年後についてフラットに話し合いを進めることが求められたそうです。そこで実施したのは、「戦略」と「デザイン」を連携して作られたカードゲーム。クライアントを楽しませながらコミュニケーションをするため、カードゲーム自体を一から制作し、そこからビジョンや成長戦略に落とし込むことに成功されました。
講義3
コンサルティング会社は通常、クライアントの仕事の戦略的な部分である上流工程を設計することが多く、下流工程であるデザイン部分は制作会社やフリーランスに依頼するといった仕組みになっていることが多いそうです。myProductでは、この上流工程であるストラテジー部分と下流工程であるデザイン部分を自社内で一気通貫して行なっており、コンサルタント・デザイナーが一体となりプロジェクトを遂行します。このように「戦略」と「デザイン」の力を組み合わせることで、課題の解決に迫っています。
講義4
デザイナーの仕事領域には、上流工程からBX(ブランド体験)/CX(顧客体験)/UX(ユーザー体験)/UI(製品・サービスの視点)に分かれています。「コンサルティング会社は定量的な側面が強く、左脳部分を生かしたいわゆる数字に強い人が多くいます。その一方、デザイナーはより感覚的に物事を伝えることが求められ、右脳部分が大事になってきます。その右脳部分を支えるのがグラフィックデザインスキルです」と宮﨑さんはおっしゃいます。
第2部:ワークショップ「学校に人が集まる取り組みを考える」
ワークショップ1
後半は、BX/CXの重要性を踏まえた上で「学校に人が集まる取り組み」をテーマにワークショップを行います。お二方が、学生たちが自らの体験を振り返ることのできる身近なテーマを設定してくれました。学生たちはチームに分かれて学生の体験を可視化していきます。各チームペルソナを設定し、学校に興味を持つところから入学までのプロセスを俯瞰して掴むことが求められます。
ワークショップ2
まず一つ目のチームは、「修了生がどんな活躍をしているか」デザイナーへの転身ストーリーを伝えることに着目。デザイナーに転身した学生のリアルな声を発信する提案しました。さらに、入学前は自分がデザイナーの適正があるか不安になるという声も。診断チャートのようなものがあると、気軽に調べることができるのでは、というアイデアもありました。
ワークショップ3
次のチームは、入学前に学校をより身近に感じてもらうため、LINEでの受講相談や修了生との座談会を実施するなどの施策を提案しました。また、学校のことを知ってもらうタイミングに着目し、素早く親近感を持ってもらえるようなアイデアの発表もありました。
総評
最後に宮崎さんと吉川さんから講評をいただきます。「皆さんリテラシーが高く、思考の深さを感じました。デザイナーにとってリテラシーはとても大事な要素です。リテラシーがあると上流工程から制作に関わることができるので、とてもポテンシャルを感じました。(宮崎さん)」「スキルだけでなく、クライアント視点を持つことも大事です。他者のアイディアを柔軟に取り入れ、この人とやり取りしていると楽しい・新しいことが思い浮かぶなど、そういった気持ちを大切にしてほしいです。(吉川さん)」