PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「続5・LOVE ♥人間」

資生堂アートディレクター/アーティスト

成田 久 氏Hisashi Narita

PROFILE
1970年生まれ。アーティスト、資生堂宣伝制作部アートディレクター。資生堂の様々なブランドのアートディレクションを経て、現在はUNO、SHISEIDO、THE GINZA、インテグレートなどを担当、またフリーペーパー「ギンザドキドキ」の編集長でもある。NHK大河ドラマ「八重の桜」のポスタービジュアル、「ただいま、東北♥」キャンペーン企画も。雑誌「装苑」にて「舞台 JAM PLAY」を連載。展覧会も多数開催。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

第1部:講義「続5・LOVE人間」

講義1

今回のプレックスプログラムは、資生堂のアートディレクター成田久さんをお迎えして行います。成田さんは主にCMや広告のプロモーションデザインを手がけられていて、皆さんも一度は目にしたことがあるものばかりだと思います。また、アーティストの一面も持ち合わせており、活躍は多岐に渡ります。今回はそんな多才な成田さんの最近のお仕事や企画、アイデアの生み出し方などについて詳しくお話ししていただきます。成田さんのパワフルなキャラクターに圧倒されながらもプレックスプログラムの始まりです!

講義2

まずは成田さんの紹介ムービーを通して、自己紹介していただきました。幼少期から学生時代、そして資生堂に入社するまでの経緯はもちろん、成田さんのキャラクターが一目でわかるユニークなムービーに会場も一気に盛り上がりを見せました。成田さんワールドを堪能したところで続いてはお仕事のご紹介に移ります。一つ目は「TSUBAKI」のリニューアルプロモーションのお仕事。キャッチーでこれまでにないイメージにしたいというコンセプトの元、イメージキャラクターには初めて男性キャストとして福山雅治さんを起用。新しい「TSUBAKI」のブランドイメージを作り上げました。他にも制作までの経緯やここでしか聞けない裏話など詳しくお話ししていただきました。

講義3

続いては「UNO FOGBAR」シリーズのプロモーションについてです。これまで女性をターゲットにしたお仕事が多かった成田さんですが、この「UNO FOGBAR」のお仕事はメンズのクリエイション。今まで以上に頭を悩ませたといいます。ターゲットが男性ということで、演出もキャッチーで取っ掛かりがある方が覚えてもらいやすいのではないか、コピーもエッジの効いた方がいいのではないかなど、いつもと違った観点から考え企画し、見事成功させます。また、成田さんは企画を考える際に、ファッションや楽曲もトータルで考えるといいます。その企画力のレベルの高さは、学生たちの参考になったのではないでしょうか。

講義4

社外でもさまざまなお仕事に取り組んでいる成田さん。2012年に「PARCO」夏キャンペーンの広告・CM、その翌年にはNHK の大河ドラマ「八重の桜」のメインビジュアルを担当。また、舞台ソムリエとして、雑誌「装苑」に連載を持つなどその多才さに学生も終始圧倒されている様子でした。まだまだそれだけに留まらず、アーティストとしても活動されている成田さん。国内外で展覧会も開催されています。現在「キュキュキュカンパニー」にてその作品の数々を販売、ぜひ成田さんワールドを体感してみてはいかがでしょうか。

第2部:ワークショップ「ラブレターを書こう!」

ワークショップ1

後半はワークショップです。テーマは毎度恒例となった「LOVE 人間」。成田さんの作品は見るだけでHAPPY や楽しさが伝わってきます。その原動力となっているのはいつも“ 好き(LOVE)” という気持ちだという成田さん。今回はそんな皆さんのLOVE な想いをラブレターにしたため告白してもらいます。人間、生き物、モノ、なんでも構いません。自分が将来クリエイションしたいようなものを対象に、いざ告白タイムです!告白する人は成田さんの引いたクジによって決まるのでもちろんランダム。みんなドキドキしながら告白の時を待ちます。さあ、成田さんのLOVEパワーを超えるようなLOVE 人間は現れるのでしょうか!?

ワークショップ2

それではいくつか紹介していきます。まずはアイドルグループ「乃木坂46」の生駒里奈さんへの想いを熱く語ってくれたトップバッターの学生。ハチマキをして告白するなどLOVE な想いに溢れていました。続いての学生はお笑い芸人「野性爆弾」への告白。特にくっきーこと川島邦裕さんのために、なんとクッキーを焼いてきたそう。その純粋で真っ直ぐなLOVE さに成田さんも大興奮している様子でした。また、映像で愛の告白をする学生も登場し、会場は終始盛り上がっていました。

ワークショップ3

そのほかにもアーティストやアニメキャラクター、中には自分で作ったキャラクターへ向けてなど、想いをぶつける相手は千差万別ですが、そのLOVE な想いはどれも本物で、いつの間にか会場全体が大きなLOVE に包まれているように感じました。「好きなものに真っ直ぐなことは素晴らしいこと。これからもどんどん周りにその想いをぶつけてみてください!」と話す成田さん。今回のワークショップへの満足な様子が伺えました。学生たちもこの好きという気持ちを大切に、クリエイションしていって欲しいと思います。

総評

成田さんからLOVE パワーを十二分に受け取った今回のプレックスプログラム。最後に感想をいただきました。「自分の好きなものを言葉にしたり、書くことってすごく大事なことだと思います!思っている以上にそういう事がきっかけでいろんな人が助けてもくれたりします。デザインって一人では決してできないので。そう、諦めなければ何かがきっと起こります。だからこそ自分の好きなことはどんどん口に出していって欲しいと思います。そして是非いつか、皆さんと一緒にお仕事ができたらいいなと思います!」