PLEX PROGRAM REPORTプレックスプログラムレポート

テーマ:「RELIGHT~一度舞台から降りたけれど、本来の魅力を失っていない品物に光を~」

株式会社スマイルズ 代表取締役社長

遠山 正道 氏Masamichi Toyama

PROFILE
スマイルズ代表。三菱商事在籍時、1999年「Soup Stock Tokyo(スープストックトーキョー)」第1号店をお台場ヴィーナスフォートに開店。2000年、三菱商事初の社内ベンチャー「スマイルズ」を設立。ネクタイの専門ブランド「giraffe(ジラフ)」や新コンセプトのリサイクルショップ「PASS THE BATON」、ファッションブランド「my panda」も手がける。一方でニューヨーク、赤坂、青山、代官山などで個展を開催するなど、アーティストとしても活躍。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。

第1部:講義「やりたくて、やるべきで、やれること」

講義1

本日の講師は、「soupstocktokyo」や「passthebaton」を手掛ける株式会社スマイルズの代表・遠山正道さん。事前告知のPOPと同じ青のシャツを着ての登場となり「(この講義の前の)打合せの関係で、POPと同じ服になってしまいました」と、照れ笑い。学生たちの緊張ムードもほぐれたところで講義スタートです。

講義2

前半は遠山さんが手掛けている事業についてお話しいただきます。現在、スマイルズでは「ファストフード」、「ネクタイ」、「リサイクル」、「ファッションアパレル」とジャンルを問わず事業を展開。さまざまな事業を展開することに対して「その個人に由来した“想い”からスタートすることが多い」と話し、「ネーミングからその“想い”の方向性が決まる事もある」という。デザインありきで進む事業も少なくないそうです。

講義3

続いて「soupstocktokyo」について。何かしたいな、という考えからファストフード店に出向。そこで「女性が一人でスープを飲む姿が浮かんだ」というところから物語仕立ての企画書を書いたとのこと。この企画書は後に『予言書』と呼ばれたが、このことに対し遠山さんは「企画書は事業計画を書くもの。そこに書いてある事業計画に沿って進めていったから企画書通りになっただけです。」と、常に第一線で活躍する実業家としての姿勢を覗かせていました。

講義4

そんな遠山さんが大事にしているのは、何か行動を起こす時のその人にとっての必然性。「亀とサソリ」の話を用いて「これが性なんです!なんて言われたらやるしかないよね」と笑いを誘いつつ、「ビジネスは楽しいことばかりじゃない。それでもやるためにはこういった必然性が大事」と実業家という枠を飛び越えて、仕事をする上で大切にしていることを教えていただきました。

第2部:ワークショップ「RELIGHT~一度舞台から降りたけれど、本来の魅力を失っていない品物に光を~」

ワークショップ1

今回のは「passthebaton」の事業の一環【RELIGHT】。使用済みの化粧品ボトルと、製造工程で欠けてしまったおかき、いずれかの【RELIGHT】案を事前課題として個人で考え、その案をもとにグループ内で話し合い、グループ内で良かったものを全体にプレゼンするという流れです。ゲストとして「passthebaton」の方と、このコンペを主催しているloftworkからも2名いらしていただきました。総参加者40人超。一体どんな【RELIGHT】が飛び出すのでしょうか。

ワークショップ2

いよいよプレゼンスタート。全8グループの代表がプレゼンを行います。おかきと音楽のジャズを組み合わせる案や、ガラス製の化粧ボトルの特製を活かした爪やすりや、歯ブラシ立てなど様々な【RELIGHT】が飛び出します。学生に混ざって参加していた学長も飛び入りで化粧ボトルを使った砂時計をプレゼン。これに対し遠山さんは「面白いけど倒れたら危ない。」とコメント。その次に遠山さんが突然「僕も!」とプレゼンする展開に、会場は大盛り上がりです。

ワークショップ3

ワークショップの締めくくりに遠山さんは全体に対し、「“リメイク”は0から生まれるものとは違うものが生まれる面白さがある。“リメイク”を季語として、見たことのない面白いものに到達できればいい」と総括。「若い人の新しいアイデアを募集しているから是非チャレンジしてほしい。」とアイデアへのラブコールをいただきました。

総評

「相手の期待を超えると、驚きや賞賛になる。だから超えなければいけない。」と話す遠山さん。「理由は後付けでも構わないから、意味があればいい。」とあらゆる場面での柔軟性の大切さを感じさせられた3時間。楽しい時間はあっという間に過ぎてしまうものです。