テーマ:「LOVE♥人間」
資生堂アートディレクター/アーティスト
成田 久 氏Hisashi Narita
- PROFILE
- 1970年生まれ。アーティスト、資生堂宣伝制作部アートディレクター。資生堂の様々なブランドのアートディレクションを経て、現在はUNO、SHISEIDO、THE GINZA、インテグレートなどを担当、またフリーペーパー「ギンザドキドキ」の編集長でもある。NHK大河ドラマ「八重の桜」のポスタービジュアル、「ただいま、東北♥」キャンペーン企画も。雑誌「装苑」にて「舞台 JAM PLAY」を連載。展覧会も多数開催。東京デザインプレックス研究所プレックスプログラム登壇。
第1部:講義「愛があればクリエイションできる」
講義1
今回は資生堂のアートディレクター成田久さんを講師としてお迎えしました。 資生堂の「ANESSA」やイケメン4人を起用した「UNO」のアートディレクションの他、個人として展覧会を開催したり、雑誌に執筆するなど多彩な方面で活躍されています。昨日まで出張でいた台湾で購入したハンバーガートレーナーがとっても良くお似合いです。 まずは、引っ込み思案だったと語る少年時代のお話からスタートです。
講義2
アイドルがテレビ毎にコンセプトや衣装を変えて「曲を創る」姿に魅了された成田さん。また舞台の世界で、野田秀樹さんのクリエイションに出会ったことで、飛躍的に作品つくりに目覚め始めます。成田さん風にいうと「パワー解禁!」の状態で美大生活を送ります。ベットを大学に持ち込んで寝泊まりしながらクリエイションするくらい誰よりも精力的に動いていたそうです。 そしてキラキラしていた学生時代も終わり、現在の会社、資生堂へ入社します。
講義3
資生堂に入社した成田さんが最初に手掛けたのが女優の伊東美咲さんを起用したお正月のポスター。この時から既に衣装にこだわり、ないものは作ってしまう(作ってもらう)スタイルが確立されています。 続いて、蛯原友里さん起用の「ANESSA」や編集長を務める「ギンザドキドキ」のエピソードまで、成田さんからはクリエイションに携わったモデルさん・ヘアメイクさん・スタイリストさん等々のエピソードが止めどもなく流れ出てきます。その臨場感溢れる話に、成田さん自身の「LOVE♥人間」が垣間見れます。
講義4
終盤は今もっともLOVEと言い切る三浦春馬さんらが登場する「UNO」と、綾瀬はるかさん主演の「八重の桜」ポスターに関して。「注目を浴びる仕事は、それに比例して携わる方たちの熱意が半端なく大きいんです。だから妥協は絶対しないんです!」と笑顔で真剣に語る成田さん。会場も「想えば叶う」という言葉を信じてみたくなる雰囲気に包まれます。
第2部:ワークショップ「憧れのあの人にラブレターを書く」
ワークショップ1
ワークショップは「憧れのあの人にラブレターを書く」です。事前に課題として出されており、抽選で皆の前でそのラブレターを読むという一風変わった内容です。更に受講生はその方に会う時を想定しての服装で来ており、読む人は成田さんによる抽選で選ばれます。成田さんが自ら実践してきた「一緒にクリエイションしたいという思いは仕事に繋がる」を体感するワークショップがスタートです。ドキドキです。
ワークショップ2
発表することを知らされていなかった皆のどよめきの中、抽選が始まります。記念すべき最初はお笑い芸人のナインティナインさんへのラブレターで始まりました。 受講生が熱い想いを読み終わった後、成田さんから「もう泣きそう~」の一言。会場の雰囲気も一気にLOVEなムードに包まれていきます。その後もアーティストやスポーツ選手等各々の告白が続きます。衣装もスポーツ選手の時はユニフォームに着替えたり、女優さんの場合は映画の出演時とほぼ同じ衣装を着てくるなど、工夫が多彩で、見事な告白大会となってきました。
ワークショップ3
中には憧れのデザイナーにラブレターを書くことで、「自分が本当に仕事をしたい人、働きたい仕事がわかりました。月内にポートフォリオを持ち込みます!」と宣言する受講生も飛び出してきました。一人一人に丁寧にコメントを加える成田さんですが、自分が同じく好きな方がラブレターを読まれる時には完全に同調し、知らない人には「その人に関して後で教えてください。興味津々です」とコメントするなど本当に楽しんでいる様子です。
総評
約30人がラブレターを読み上げ、もう残り時間が少ない時に他薦の声が上がりました。推薦された方が読み上げます「私がラブレターを読みたい方は成田さんです!」どよめく会場と「もう本当に泣きそう~」と声を上げる成田さん。その受講生は実は成田さんの大学の後輩でした。大学に残っていた成田さんの作品や「好きが高じて一緒に仕事ができるかもしれません」と書いてあった言葉に随分と励まされたらしいです。 そう語る受講生の姿を照れながらも満面の笑みで眺める成田さん。