遊び心を持ちながら、楽しみながら、が私の原動力。
本当に絵を描くのが好きな子供でした。高校の時も、美術学校とダブルスクール。その美術学校の合宿で、泊まり込みで美術に打ち込んだ経験が、美術でやっていく決心につながりました。大学でグラフィック・デザインと写真を学んだのち、広告制作プロダクションに入社して数年後、初めてMacが導入されたことが私の大きな転機に。アナログであれほど苦労した事を、簡単に、正確に実行できるMacにすっかり惚れ込んでしまい、時間を忘れてつくることに没頭したのを今でも覚えています。
「常に遊び心を持ちながら」、「いつも楽しみながら」仕事をすることが、ずっと私の原動力になっています。その姿勢は、いつかフリーランスで働きたいという、当時の私の夢を叶える力にもなったと思います。幸いプロダクションで培ったスキルと、仕事を通して関わってきた、たくさんの人たちとのつながりに支えられ、様々な仕事に携わることができました。最初のうちは、かっこいいデザインをやらせてもらえるなら、報酬は受け取らなくてもいい、そんな気持ちでやっていましたね。結果的に、それらの仕事が更なる仕事を引き寄せてくれました。デザインで人と繋がっていくことは、この仕事の大きなやりがいの一つだと思います。
最近のクリエイター志望者は、先に将来を考えてしまって、足が前に出ていかない人が多いように感じます。自分を押し込めている枠から飛び出す勇気を持って欲しいと思います。デザインは“見てもらうために”やる仕事。恥ずかしがらず、惜しまずに、外に出して。人に見せないことには何も変わらないし、動きません。時にはダメ出しをされることだって、自分が成長できる楽しみの一つだと思ってほしいですね。遊び心に置き換えれば、どんなことにだって挑んで行けると思いますよ。そして、やるからには、とことんこだわり抜いて下さい。色、かたち、構図...伝えたいものを的確に伝えるために、文字一文字だって妥協しないこと。もちろん、プロとして納期は絶対に過ぎることなく真剣にデザインと向き合ってみましょう。全てが淀みなく進んだ時、多くの人の心を打つデザインが生まれます。
