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山﨑 晴太郎Seitaro Yamazaki

PROFILE
株式会社セイタロウデザイン代表。横浜出身。立教大学卒。京都芸術大学大学院芸術修士。2008年、株式会社セイタロウデザイン設立。企業経営に併走するデザイン戦略設計やデザインコンサルティングを中心にしたブランディング、プロモーション設計を中心に、グラフィック、WEB・空間・プロダクトと多様なチャネルのアートディレクションを手がける。各デザインコンペ審査委員や省庁有識者委員を歴任。東京2020オリンピック・パラリンピックでは、クリエイティブアドバイザーも務めた。 株式会社JMC取締兼CDO。株式会社PLUGO CDO。

肩書はひとつじゃなくていい。新しいことに出会う仕事の醍醐味。

もともと、とても内気な子どもでした。だから母が、社会性を養うために3歳の時、僕を英語劇団に入れたんです。色々なご縁もあり、表現の世界で生きていくと決めたのが高校生の時。そこからは、ずっと役者になろうと思っていました。ですが、高校3年の時に日本を旅していて、フォトグラファーの方と出会ったんです。色々な話をするうちに、演劇以外の表現方法にも興味を持つようになり、結果大学では写真を専攻しました。

それからは、グラフィックや写真を皮切りに、映像、ダンス、VJ、建築など、いろんなことをやってきましたね。この領域の広がり方に違和感をもたれる方も多いんですが、個人的にはあまり違和感がなくて。もともと役者を目指していたこともあり、様々な役を都度演じていく感覚と、一つのかたちに縛られずに領域を広げていく感覚は、どこか通じるものがあると思っています。前例はありませんでしたが、これが自分のやり方なんだと思って、ずっと続けてきました。

その中で自分が心がけていたのは、常に自らの最大値を超えるものを目指そうということ。結局わがままで、全部自分でやりたいんです。舞台の世界に置き換えると、役者だけではなく演出も美術もやりたい、みたいな気持ち。最初の頃は、全くわからないのに、「やります!」と受けた仕事を、必死に勉強しながら仕上げるなんてこともしょっちゅうでした。

仕事を始めてからは、依頼された内容に隠れている本質はなんだろうと考えて、元々の依頼に沿う案を出すのはもちろん、その依頼を上書きするような自分なりの解も並行して出すようにしてきました。そうしないと、仕事が広がっていかないんですよ。「自分なりの解」というと大それたことのように捉えられがちですが、アイデアはいつも、日常の中にあります。自分が夢中になった好きなことが、そのまま仕事のアイデアに活かせたことも少なくありません。音楽、ゲーム、漫画、スケボー、昆虫のブリーディング…今でも面白そうなことにはすぐ飛びついてしまいます。

そう考えると、好きなことが仕事につながるデザイナーって、なんて素晴らしい仕事なんだ!と実感しています。「新しいことを始める」ということと「頑張る」ということは、自分にとって真逆な行為。次々と出会う「やりたいこと」を続けるために仕事をしていますし、そのためには悩んでいる時間はありません。仕事で世界が広がる醍醐味を、ぜひ皆さんにも感じてもらいたいですね。

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