PLEX PROGRAM REPORT

  • コンセプトデザイン
  • デザインストラテジー
  • デザインプロセス
  • プラスデザイン
  • コミュニケーションデザイン

「CREATIVE POSSIBLE」

2017年12月19日(火)

株式会社EVERY DAY IS THE DAY 共同CEO/クリエイティブディレクター

佐藤 夏生 氏

Natsuo Sato

<PROFILE>

1973年生。博報堂のエグゼクティブクリエイティブディレクター、 HAKUHODO THE DAY のCEOを経て、2017年、クリエイティブファームEVERY DAY IS THE DAYを立ち上げる。
過去に、アディダスやナイキのクリエイティブ、JR 東海 N700 系のブランドコンセプトなどを手がけ、近年では、メルセデス・ベンツのブランディング、世界的ヒットアプリWEARの開発、グローバルモーターショーでのブリヂストンブースのプロデュース、渋谷区のブランディングなど、広告を越えた、ブランディングや事業開発、経営革新の実績多数。
グッドデザイン賞をはじめ、ACC マーケティングエフェクティブネス賞グランプリ等、国内外で数々の賞を受賞。2015 年から渋谷区のブランディングアドバイザーも務める。

佐藤 夏生 氏

第1部:講義「CREATIVE POSSIBLE」

講義1

今回のプログラムは、エグゼクティブクリエイティブディレクター佐藤夏生さんにお越しいただきました!2017年10月1日に設立された株式会社EVERY DAY IS THE DAYの共同CEOである佐藤さん。プレックスプログラムには、会社設立前のHAKUHODO THE DAYの頃からご登壇されており、今回が3回目となります。「ここ(TDP)の学生さんはすごくモチベーションが高くて、高いだけではなくてクリエイティビティやデザインの可能性があると感じています」と、毎回の講義を楽しみにされている様子でした。

講義2

クリエイティブファームEVERY DAY IS THE DAYは、「CREATIVE POSSIBLE」というフィロソフィーを掲げて2017年10月に設立されました。そのフィロソフィーには、世の中の様々な問題や社会の構造などをクリエイティブの力で解決したいという強い思いが込められています。佐藤さんは、クリエイティブには社会や暮らしを変えられる力があり、この会社はクリエイティブで解決する専門会社になりたいと話します。佐藤さんがクリエイティブの可能性を感じたきっかけの一つに、iPhoneの1つだけのホームボタンを挙げました。「戻るボタン」が一つしかない、だけどこれがあるだけでどんなに便利か、新しい便利を考えた人はとんでもなくクリエイティブだと佐藤さんは感じたと話します。

講義3

iPhoneの「戻る」だけのホームボタンは、プロダクトデザインの概念ではなく、発想やアイディアのデザイン、発想革新によって生まれたもので、発想の転換1つで技術が革新する可能性を感じたと佐藤さんは続けます。新しい便利を生みだすことは、そこに何か形がなければならないわけではなく、アイディア一つで、iPhoneの例でいうとデバイスと人との間に新しい関係を生み出すことと話します。「人によってクリエイティブディレクションという言葉の解釈はそれぞれあると思いますが、僕がいうアイディア、クリエイティブディレクションというのは、決して表現技法の話ではない。どうやったら社会をつかめるのか、社会の捕まえ方だと感じています。」

講義4

続けて佐藤さんは「クリエイティブは何か物を作ることから、ここ数年で価値を生むことに変わってきている。僕が会社を作ったのは、これから日本にクリエイション産業やアイディア専門やクリエイティブ専門の企業がどんどん必要になっていると感じたからです。日本がものすごいクリエイティビティ国家になったら、クリエイティブ産業国として世界をも動かす国力としてクリエイティビティが機能していくはずです。それくらい社会にとって重要なものだと思います」と話します。それを裏付ける事例を交え、わかりやすく、かつユーモアを交えながらお話をされるので、あっという間に講義の時間は過ぎていきます。

第2部:ワークショップ「インバウンド企画を考えてみよう」

ワークショップ1

今回のワークショップはアイディア勝負、「日本の新しい観光事業」を自由に考えてもらいます。インバウンドで訪れる外国人に、日本の魅力を感じてもらうものであればどんなものでもいいと佐藤さんは話します。それは、「観光事業の運営の仕方なのか、アイディアベースのものなのか、コンテンツなのか、なんでもいい。理屈もたくさんいらないので20分でプランニングしてください」と佐藤さん。人をあっと言わせるアイディアを制限時間以内で考えてもらいます。受講生の皆さんは早速、グループでディスカッションを始めました。

ワークショップ2

20分が経過し、いよいよアイディアの発表です。まずはじめに発表したアイディアは、外国人観光客と一般の人をつなぐマッチングアプリを提案しました。観光事業はどうしても観光スポットなど「場所」に焦点を当てることが多いですが、この提案は日本の文化やカルチャーを知るきっかけとして「人」に焦点を当てた提案でした。佐藤さんもこの視点は面白い、と評価してくださいました。また、受講生の提案に近しい事例も紹介してもらい、自分たちの提案がより具体的になった時のモデルケースとして非常に参考になるフィードバックも合わせて行われました。

ワークショップ3

各グループの発表は、ツアーの企画や文化体験など様々な発表がありましたが、現在のスマートフォンの普及に伴い、アプリの提案が多く見られました。デバイスの特性を生かし、即時性を生かしたアイディアや、個々人の趣味嗜好を使ったサービスの提案がなされていました。佐藤さんも発表の中で、観光地そのものではなく、誰と誰の視点を繋げるかという点に着目していたことに評価してくださいました。ただ、人の心が動くようなアイディアを生み出すことがどんなに難しいことなのか、短い時間の中でもワークショップを通じて皆さん感じたようです。

総評

最後に佐藤さんから改めて、受講生に向けてメッセージをいただきました。「人を感動させる、ということ自体が難しいことで、ダンスや音楽のように芸術家と同じことをしようとしているものです。クリエイティブの仕事で、なかなかアイディアが通らないこともありますが、なかなかうまくいかない時もめげないことが大事です。自分の信念を諦めずに追求した人でしか達成できないものであり、世の中の常識を超えた先にしかクリエイティブの感動はない。クリエイティブの仕事はそれくらい大変なことですけど、とてもわくわくするような仕事だと思います。」佐藤さん、本日は本当にありがとうございました!

このページの先頭へ