プレックスプログラム レポート

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「デザインと革新」

2016年5月31日(火)

NOSIGNER代表

太刀川 瑛弼 氏

Eisuke Tachikawa

<PROFILE>

慶応義塾大学大学院理工学研究科修了。在学中の2006年にデザインファームNOSIGNERを創業。現在、NOSIGNER株式会社代表取締役。ソーシャルデザインイノベーション(社会に良い変化をもたらすためのデザイン)を生み出すことを理念に活動中。建築・グラフィック・プロダクト等のデザインへの深い見識を活かし、複数の技術を相乗的に使った総合的なデザイン戦略を手がけるデザインストラテジスト。その手法は世界的にも評価されており、Design for Asia Award大賞、PENTAWARDS PLATINUM、SDA 最優秀賞、DSA 空間デザイン優秀賞など国内外の主要なデザイン賞にて50以上の受賞を誇る。災害時に役立つデザインを共有する「OLIVE PROJECT」代表。内閣官房主催「クールジャパンムーブメント推進会議」コンセプトディレクターとして、クールジャパンミッション宣言「世界の課題をクリエイティブに解決する日本」の策定に貢献。 University of Saint Joseph / Department of Design 客員教授 慶応義塾大学SDM 非常勤講師 法政大学工学部建築学科 非常勤講師

太刀川 瑛弼 氏

第1部:トークショー「10のヒント」

講義1

本日はノザイナー代表の太刀川瑛弼さんにお越し頂き、プレックスプログラムを行っていきます。太刀川さんは今回で4回目のご登壇となります。社会に良い変化をもたらすためのデザイン「ソーシャルデザインイノーベーション」を生み出すことを理念に活動している通り、太刀川さんの作品はどれも社会との深い関わりを持つものばかりです。会場には太刀川さんのデザインに対する考え方や向き合い方など、その極意を盗み取ろうと、いつにも増して多くの受講生が集まりました。

講義2

今回は、今年刊行された太刀川さん著書の「デザインと革新」に書かれている事をもとに、生徒たちのデザインに関する様々な質問に答えていただきました。普段聞けないような事や、言い出せない質問に、ここでしか聞けない制作秘話も交えて解説していただきました。滅多にない機会ということもあり、みんなどんどん太刀川さんにぶつけていきます。普段とは少し違った講義の仕方ですが、会場は大いに盛り上がりました。それでは、いくつかご紹介していきます。

講義3

まずは、「お仕事の始め方」。
どうやったらお仕事をいただけるか。誰もが知りたい内容にお答えしていただきました。誰しも決して最初から上手くいく人はいない。だからこそ、表現者としての技術を学び、基盤をしっかり作っておく事が大前提であり、ポートフォリオを充実させておく。ただ、最も重要なのは、相手の話を聞いて理想を共有できるかどうか。泥臭く、がむしゃらに人に信じてもらえるよう努力することが何らかのきっかけになるとのこと。太刀川さん自身の最初から順風満帆ではないこれまでのいきさつや奮闘ぶりを聞いたからこそ、とても説得力のある言葉に感じました。

講義4

続いて、「いま仕事じゃない仕事をどうやって仕事にするか、そしてそこにどうやって値段をつけるか」。これもみんな気になる部分です。太刀川さん曰く、とりあえず日給5万円で計算してみる。そして、何日くらいその依頼してきた人たちと並走するかを想像してみる。そこに日給5万円を当てはめて算出していくのがベスト。そのためにはその金額に値する人になること。相手と気持ちや情報を共有し、相手から信じてもらうことがデザイナーにとってものすごく大事なことであるという太刀川さんから、プロとしての高い意識が垣間見れました。。一見難しそうな質問や内容も、、太刀川さんの面白く、わかりやすい解説のおかげで受講生みんな熱心に聞き入っていました。

講義5

「デザインの勉強の仕方」では、まずデザインオタクになること。
そして、自分の中でいいデザインとはこうだという定義を決めることが重要だと太刀川さんは言います。太刀川さんはいいデザインとは言語に近いものであるという仮説を持ち、言葉みたいにデザインが上手く話せている、聞けている状態がいいデザインに近いのではと考え、言語学的にデザインを分析していったそう。
「そういう風に、自分なりの仮説を持って、そこから源流まで深く掘っていく時間を作ることが、デザインをするにあたっての武器になり、自分が作った定義をより鮮明にすることができるんですよ。」と太刀川さん。その独自の作業スタイルや考えは、受講生にとってとても参考になったようでした。その他、数多くの質問にも丁寧に答えていただき、興奮覚めやらぬ中、第1部の終了です。

第2部:ワークショップ「デザインの文法」

ワークショップ1

第二部は、前半の講義をふまえて太刀川さんが考案した「デザインの文法」の一部を体験するワークショップを行います。デザイン発想のルールを言語のように「文法」として体系化していく今回のワークショップ。デザインと言語が似ているんじゃないかという仮説を元に、デザインの文法化を図ろうという狙いです。
今回は会場にある椅子を使って、デザインの文法の中の、最も大事な「分解」の部分を行ってもらいます。「記号」-「意味」-「関係」に分解していき、無駄な記号や、足すことのできる記号はないのかを分解しながら考察していくという作業です。

ワークショップ2

太刀川さん自身もこの作業がアイデアを生み出す基になっているそうで、生徒みんな熱心に椅子を分解していきます。椅子をいろんな角度から観察し、何故この場所に穴が開いているのか、シールが張られているのか、どうしてここがデコボコなのか等、それぞれのパーツに意味を考えポストイットをひたすら貼り付けていきます。実際に体験してみて、この作業をするのとしないのとでは、椅子について考える際の基盤にまったくの違いが出てくることを実感したようです。そして実は「記号」としての観点よりも「関係」としての観点が重要だという事にも気づきます。生徒みんなこのワークショップを通してアイデアの創出やデザインへの落とし込みを楽しく、体系的に学ぶことができたようでした。

総評

最後に太刀川さんから総評です。
「デザイナーは何かプロジェクトが始まるとき、いつも素人で関わる。だから楽しいけど毎回まったく違う切り口や、新しい考え方が求められる。だからこそアイデアを作り出そうと悩んだりすることが多々あると思います。
そんなときに今日の僕の話やコツを思い出してみてください。
きっと役に立つと思います。頑張って下さい!」
最後まで大盛り上がりだった今回のプレックスプログラム。
太刀川さん、本日はありがとうございました!

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