プレックスプログラム レポート

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「スペースコンポーズという仕事」
〜人を惹きつけるコミュニケーションデザインとは〜

2016年3月30日(水)

スペースコンポーザー

谷川 じゅんじ 氏

Junji Tanigawa

<PROFILE>

1965年生まれ。2002年、空間クリエイティブカンパニー・JTQを設立。「空間をメディアにしたメッセージの伝達」をテーマにイベント、エキシビション、インスタレーション、商空間開発など目的にあわせたコミュニケーションコンテクストを構築、デザインと機能の二 面からクリエイティブ・ディレクションを行う。主な仕事に、文化庁メディア芸術祭(2005-2008)、JAPAN BRAND EXHIBITION(2007)、パリルーブル宮装飾美術館 Kansei展(2008)、平城遷都1300年祭記念薬師寺ひかり絵巻(2010)、KRUG Bottle Cooler(2011, 2013)、GOOD DESIGN EXPO(2007-2011)、GOOD DESIGN EXHIBITION(2012-2014)、MARC JACOBS ICONIC SHOWPIECESEXHIBITION(2013)、UT POP-UP! TYO(2013)、MEDIA AMBITION TOKYO (2013~)、IMA CONCEPT STORE(2014)など。2013年、Page One Publishing(シンガポール)よりJTQ 10TH ANNIVERSARY ARTIST BOOK「Junji Tanigawa, The Space Composer」を刊行し、D&AD賞に入選。DDA 大賞受賞、優秀賞受賞、奨励賞受賞、他入賞多数。 茨城県北芸術祭クリエイティブディレクターに就任。(2015年~) 外務省JAPAN HOUSE Los Angeles 事業プロデューサーに就任。(2015年~)

谷川 じゅんじ 氏

第1部:トークショー「スペースコンポーズという仕事」〜人を惹きつけるコミュニケーションデザインとは〜

講義1

本日のプレックスプログラムは、JTQ Inc.代表の谷川じゅんじさんをお迎えしました。谷川さんの肩書きである「スペースコンポーザー」は、私たちにとって普段聞きなれない職業。それもそのはず、この職業は谷川さん自らが新たに生み出し名付けられたものだからです。自身のデザインスタンスを表す「スペースコンポーズ」という概念を提唱する谷川さん、これからの講義に皆さん期待が高まります。

講義2

期待が高まる中で、前半の講義がスタート。まずは谷川さんのご自身の経歴からお話いただきました。大学時代のお話から始まり、現在のJTQを立ち上げた経緯まで、当校が社会人スクールであることを考慮していただき「普段ここまで話さない」と谷川さん自身もおっしゃったように、細かく丁寧にお話し下さいました。その中で谷川さんがキーワードとしてあげたのは「ホスピタリティー」。まだその言葉が存在しなかった1980年代にすでに、谷川さんは仕事を通じて強く感じたそうです。

講義3

経歴の後は、いよいよ「スペースコンポーズとは?」という問いに対して、谷川さんのデザインの核に触れながら話は進みます。「Concept design(コンセプトデザイン)」「Spatial design(空間デザイン)」「Experimental design(体験デザイン)」をつなぎ合わせ、全体の「Branding design(ブランディングデザイン)」を、谷川さんが取り組んでいることと絡めて語ります。その空間、場にいることで得た体験が、記憶に残り、「また来たい」とリピートさせる、そのサイクルを生み出すために「空間」と「体験」を行き来しながら考えることの重要性を明示しました。

講義4

さらに、空間は情報を伝えるためのデバイスであり、メディアの機能を持っていると話します。その空間の中で体験すること、あるいはその空間までにたどり着くまでの道のりや街の風景、その体験後の記憶や帰り道などが連鎖して一つの価値が生まれることを谷川さんはコンテキスト(文脈)として重要視しています。これらのその人がもつ印象と記憶の連鎖によってブランドの価値が決まるため、価値を決めるのは結局人である、と続けます。「体験価値のデザイン化」とよべる谷川さんのデザインスタンスの概要と詳細を、数多くの作品を交えながら紹介し、第1部は終了しました。

第2部:ワークショップ「ジャパン・ハウスにおける巡回企画展の企画」

ワークショップ1

第2部のワークショップの題材は、第1部にて話題に触れた国家プロジェクトである「ジャパン・ハウス」です。各グループに分かれ、ジャパン・ハウス内で行う企画をグループ内でそれぞれ考え発表を行うものでした。グループでのディスカッションに40分、そしてプレゼンは4分という制限の中で企画を発表してもらいます。限られた時間の中で、各グループはまとめることができるでしょうか!?

ワークショップ2

40分間、どのグループも活発に議論が行われたのち、いよいよプレゼンタイムに入ります。ジャパン・ハウスの企画ということで、それぞれのグループが「日本らしさとは何か」という問いに答えるようなプレゼンとなりました。「夏祭り」や「漫画」など各グループで様々な切り口から捉えた企画が次々と発表され、どのグループもお互いのプレゼンに聞き入っていました。プレゼン時間が4分という制限の中、伝えきれるようにどのグループのプレゼンターも真剣です。

ワークショップ3

各グループの中から、最も発表が優れた第1位のグループが選ばれました。選ばれたのは「トイレ」をテーマに企画をたてたグループ。谷川さんの審査基準は、4分という短いプレゼン時間で相手を納得させるために必要な、テーマの明快さと相手がイメージを膨らませるような展開方法でした。第三者に伝えるためには、誰もが風景やイメージをパッと想像させるものを語ることがプレゼンにおいては大事だとお話を頂きました。1位のグループには谷川さんから非売品であるJTQのトートバックをプレゼント!1位のグループメンバーから喜びの声が上がりました。

総評

各グループの発表を振り返りながら、谷川さんは「今回の発表に出ていない企画を、今後われわれは考えなければならない」と語りました。最後に、受講生に向けて、「創造するということの可能性や力を信じてもらいたい。本当に何のために新しい価値を生み出そうとしているのか、という自身の声と向き合ってほしい。汗水流して努力した、その人がかけた熱量はアウトプットに比例するものなので、頑張って行ってほしい」と締めくくりました。知的好奇心とクリエイティビティを沸き起こさせるような内容となった今回のプログラム。谷川さん、本日は本当にありがとうございました!

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