プレックスプログラム レポート

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「建築家の視座」

2015年7月18日(土)

建築家

福田 一志 氏

Kazushi Fukuda

<PROFILE>

建築家。武蔵野美術大学/大学院卒業、ヴェネツィア建築大学(イタリア政府給費留学生として)留学、設計事務所勤務を経て、現在一級建築士事務所インターコア代表。専攻建築士(統括設計/まちづくり/教育・研究)、一級建築士、インテリアプランナ一、インテリアコーディネーター、Vectorworksプロフェッショナルアドバイザー。家具から都市計画まで幅広い分野で設計活動を行う。ヨーロッパ・アメリカ・アジアと、海外での生活/仕事での経験を生かし、独自の世界観で時の経過のなかでも風化せず存在し続ける空間づくりに没頭中。近年は、「デザインを行う思考過程の中でどの様にコンピュータとの関係を築くか」などをテーマに、教育の分野にも携わる。

福田 一志 氏

第1部:トークショー「建築家の視座」

講義1

本日のプレックスプログラムは、建築家、福田一志さんに行っていただきます。福田さんは建築家として多くの建物をてがける傍ら、当校でも教鞭をとっていただいてます。いつもの授業とは少し違った観点の講義に受講生も興味津々の様子です。「建築家というのは不安を持ちながらも、自分の視座を見つけ、それを形にしないといけない。形の正当性を考える人たちです。今日はその建築家の多面的なモノの見方を、少しでも知って行ってもらえたらと思います」 冒頭からこんな言葉をいただき、まずは福田さんの作品の解説からスタートです。 

講義2

「住宅は、安全や住む人の生活を何よりも第一義に考えます。そして大切なのは空間、空間を小さく仕切るよりも空間を最大限に活かす住宅を考えます」とあくまでご自身の信念に基づいたお話かと思えば、「壁にセンスの無いものをかけられるのがあまり好きではないので、壁自体をデザインしてしまうんです。」「ちょうどテレビを見ていた時に依頼があって、その時テレビに出ていた生き物をモチーフにしました」と感覚優先もあり、実に多様にデザインを繰り広げています。

講義3

続いて歴史上の偉大な建築家の作品を解説していただきます。解説のテーマは、タイトルと同じく「建築家の視座~建築家の複眼で観ることで何が変わるのか?」 著名なアートティスト・マルセルデュシャンの作品や「サッチャー錯視」では、視点を少し変えただけで、全く別のものになってしまうことの面白さを。
一方建築家ではアントニオ・ガウディの自然との関わり方や竹山 実氏のメタファー(隠喩)による作品つくりのコアなエッセンスを。近年の海外若手写真家の作品ではフォトショップで選考した作品が現実になっていく様子を解説いただきながら、複眼の具体例を示していただきます。

講義4

一見程遠いと思われていた芸術家や建築家の手法も、福田さんに解説いただくことで、デザインのジャンルにとらわれることなく創作の参考例になることが良くわかります。普段受講生を直接指導されている福田さんらしく、実に受講生のツボをついてくる講義です。「皆には視点を変えることの大切さと、ブレインストーミングの基本を知ってもらいたいので、それっぽいワークショップの題材を考えました。頭を柔らかくして、取り組んでみてください」前半はこれで終了です。

第2部:ワークショップ「条件の元で住宅を創ってみよう」

ワークショップ1

本日のワークショップのテーマは「条件の元で住宅を創ってみよう」です。「廊下に住む」「玄関に住む」「階段に住む」と3つの条件の名から各チームに分かれ、ディスカッションを行います。ディスカッションの前に福田さんから「デザインとアートの違い」についてレクチャーがありました。「アートとデザインの違い、様々な説がありますが、デザインには条件があります。アートは発する側のセンス等が重要になりますが、デザインの場合、条件の深堀りと情報収集がとても大事になります。」 そして各チーム、約30分間ディスカッションを行い、あっという間に発表の時間です。

ワークショップ2

いくつかのチームの発表をご紹介します。玄関チーム:「ルービックキューブのように全てをキューブ状にして、窓や玄関の境も消してしまうアイデア」 「老夫婦のために玄関に掘りごたつを設置し、掘りごたつ中心にすべてを行える住宅」、階段チーム:「棒グラフを立体にした三階建ての住宅、隣の部屋に行くには外に出て階段を上らないといけない」「一階段一要素を備えた住宅を設計。階段ごとにバス、キッチン トイレ等を設置しする住宅」、廊下チーム「廊下をある場所へ行くための通路と定義し、ハンモック等の小道具で生活感を演出する」、玄関チーム:「玄関直結の部屋がいくつかある住宅。部屋についたら即DVDが見れるやすぐ寝れる等、玄関あけたらすぐに思いが叶えられる住宅」

ワークショップ3

廊下チームB:「子持ちの夫婦を対象に両隣にお風呂やキッチンがあり、廊下は天窓で光が入る学校の廊下に住むイメージ。」
階段チーム全体の発表後が終了後、福田さんからは一言「歴史的な会議が終わりましたね。 実はこのような生活に根差した空間設計に関する議論は何千年前から繰り返されてきたんです。こうやっていろいろな立場の方とディスカッションする中で、違いや文化の理解を図っていくことがとっても大事ですね。」とコメントをいただき講評は終了です。

総評

最後に福田さんから、現代のデジタルソフトがどこまでリアルなデザインに即したものになっているかを示すために、デモンストレーションが行われました。
最新のCADソフトを使い、今回のワークショップの発表であった廊下に住むチームBのアイデアをベクターワークスを使用し、福田さんがどんどん具現化していきます。わずか10分足らずで3Dのデジタルパースが出来上がってしまいました。プロフェッショナルの凄さに会場は圧倒されます。最後に福田さんから「コンピューターの進歩は目覚ましいですが、あくまでも作り出すのは人であり、次世代の皆さんです。うまくコンピューターを使いこなし、素晴らしいデザイナーになってください」 福田さんありがとうございました!

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